本作は12年前、僕が初めて書いたラブストーリーで、とても思い入れの強い作品です。 本書序盤では、「ただのラブラブカップルの幸せ物語」だと決め込んでいましたが、そんな2人でも命をかけるとなると亀裂が入り、感情をキープできなくなってしまいます。 家族のいない日菜に「夢の家」を建ててあげたい、そのために建築家として名を上げたいと願う誠だったが、ある雨の日、日菜と一緒にバイク事故で瀕死の重傷を負ってしまう。 この記事を読んで、少しでもそんな風に思っていただけたら嬉しいです。 著書に『ガールズ・ステップ』『今夜、ロマンス劇場で』『桜のような僕の恋人』『君にささやかな奇蹟を』がある。 羽は生えていないんだな……って、こんなときになにを冷静に考えているんだ僕は。
>好きになった女の子がたまたま、たまたま童顔だっただけだ。 ドタドタドタと大きな足音を立てて出迎えてくれたエプロン姿の女の子。 その表情にドキッとして「な、なんでしょう?」って声がうわずってしまった。 ふんわり漂う柔軟剤の香りも良い感じだ。 彼女の笑顔を想うと、時々、涙がこぼれそうになる。 強く強く、握った。 光の差し込み方が絶妙でさ」 「ねぇ、シチュー冷めちゃうよ?」 「やっぱ分館も光をどう扱うかがポイントだと思うんだよね。
>GENERATIONS from EXILE TRIBE 片寄涼太さん、感動! 『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。 金縛りにあったときのようだ。 『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。 彼女の頭をぽんぽんして洗面所へ向かう。 それできっと病院に。
>だから今も雨が降ると思い出す。 「だってほら、このお店って内装もテーブルも椅子も全部趣味が良いじゃないですか。 「な、舐めるの!? キモい! やだ! やめてよ!」 「はぁぁぁ————!? 舐めるわけねぇだろうが!」 「でもでもぉ~、研ちゃんは日菜ちゃんのことが好きなんでしょ~?」 「はぁぁぁぁ—————————! んなわけないじゃないっすよ!」 「ほらほら~、動揺してなに言ってるか分からなくなってる~。 この幸せが、この恋が、ずっとずっと続いてほしい。 細い糸のような雨が空からまっすぐに落ちて世界を濡らしている。 このお話しは、相手のことをどれだけ思いやれるのか、他人のことを命賭けで守れるのか、余命は決まった時人はどのように生きることができるのか、二人の切ないラブストーリーでありながら、人として人生への向き合い方が問われる小説です。
>しかも一人や二人じゃない。 横たわったまま見上げたそこには白く輝く無影灯がある。 「ただいま」って言ったけど、「うん」と短く答えるだけ。 草木が生い茂った細い道は、まるで異世界へ続くトンネルのようだ。 カバーのデザイン打ち合わせをした日もそう。 この物語では『雨』がキーアイテムになっている。
>この幸せが、この恋が、ずっとずっと続いてほしい。 雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で愛にあふれた同棲生活を送っている。 「でもなぁ~。 置かれた状況が少しずつ分かってきた。 フライパンを振りすぎて腕はもうパンパンだ。
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